DeFiのスリッページ(価格のずれ)について

xWIN.Finance
Aug 20, 2023

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クリプトの世界、特にDeFiの世界では、スリッページ(価格のずれ)というのが発生する。今日は、スリッページについて考察をしてみる。分散型の金融の最大の発明は、分散取引所の流動性供給と言われているが、流動性供給とスリッページが大きく関係しているので見ていきたい。

分散型取引所(DEX)でスリッページが発生する理由は、その構造と分散型取引の特性によるもの。スリッページとは、売買取引の予想価格と実際の実行価格との違いを指す。特に、トレーダーが最初に予想した価格よりも不利な価格で取引が実行されることを意味する。DEXでスリッページが発生する理由は以下です。

1.DEXの限られた流動性

DEXは、流動性プールという手法を使って取引を可能にしている。流動性プールにおいては、トークン比率に基づいて価格を決定するAutomated Market Making Algorithmを活用している。Automated Market Making Algorithmは、トークンの供給と需要に基づいて価格を計算し、トークン間の交換レートを自動的に設定する。

これにより、トークンの価格がリアルタイムで変動する市場環境に適応できます取引が行われると比率が変化し、トークンの価格に変動が生じます。そのため、取引が開始される時点と実行される時点とで価格が異なることがあります。

DEXはしばしば中央集権型取引所に比べて流動性が限られています。大きな量の取引が開始されると、流動性が少ないためトークンの価格に比例しない影響を及ぼす可能性があり、予想価格と実際の価格の間に広がりが生じ、スリッページが発生する。

特定のトークンペアの流動性は大きく異なることがあります。流動性が低いペアは、限られた流動性があるため、小さな取引でも価格に不比例な影響を与えやすく、スリッページの影響を受けやすい。

2.情報の不完全さ

DEXはしばしば中央集権型取引所に比べて注文情報に制限がある。包括的な注文情報がないため、市場価格を正確に予測することが難しく、実行価格にズレが生じる可能性がある。

3.フロントランニング

分散型環境では、ブロックチェーントランザクションにより速いアクセス権を持つトレーダーが他のトレーダーよりも前もって取引を予測して実行することがある。これにより、取引が送信されてから確認されるまでの間に価格変動が生じ、スリッページが発生する。

4.ネットワークの混雑:

ブロックチェーンのネットワーク混雑している場合、トランザクションの確認に遅延が生じることがある。この遅延により、取引がブロックに含まれる前に価格が変動する可能性があり、スリッページが発生する。

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