日本のステーブルコイン規制と今後の見通し

xWIN.Finance
Aug 25, 2023

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日本のステーブルコインに関する規制に関してまとめてみました。日本においては、ステーブルコインは非常に熱いトピックですが、現在、法的な規制の整備とともに、AML/CFT(資金洗浄とテロ資金供与防止)規制や経済制裁の規制などが組み合わさって検討されています。

ステーブルコインとは:

ステーブルコインは、デジタルマネー類似型と暗号資産型に大別されます。デジタルマネー類似型は法定通貨と価格が連動し、償還が約束されているもので、電子決済手段として規制されます。一方、暗号資産型はこれに該当しないもので、暗号資産として規制される場合もあります。日本で一番有名なステーブルコインは、JPYCですが、JPYCはデジタルマネー型のステーブルコインです。JPYCは、世界的に有名なUSDC社との連携を強化しています。

法的な整備に関しては:

令和4年に行われた資金決済法等改正法により、デジタルマネー類似型のステーブルコインが「電子決済手段」として定義され、電子決済手段等取引業者としての業者規制が導入されました。また、銀行法や協同組合による金融事業に関する法律、信用金庫法も含めて、発行者や仲介者に対する業者規制が行われました。簡単に言うと、資金移動業、銀行業を持つことによって、ステーブルコインの発行できるようになったわけです。

AML/CFT規制(資金洗浄とテロ資金供与防止):

ステーブルコインの発行者や仲介者は、犯罪による収益の移転防止に関する法律上のAML/CFT規制の対象とされています。これにより、不正な資金移動の防止と監視が強化されています。デジタル通貨は、マネーロンダリングの一つの手段として使われやすいと言われていますが、それは現金でも同じで、むしろ、ブロックチェーンを活用したほうが透明性が高まり、監視が可能ともいわれています。

経済制裁規制:

ステーブルコインの発行者や仲介者も、外国為替及び外国貿易法に基づく経済制裁の対象となる場合があります。経済制裁は国際的な政治的・経済的圧力を背景に行われ、特定の国や団体との取引を制限するものです。パブリックチェーン上に発行されたステーブルコインはどこまで経済制裁規制に準拠できるかは議論の余地がありますが、それは発行体の体制にもよります。

日本では、上記のような規制が設けられ、ステーブルコイン先進国とも言われるようになってきました。今後の展望は以下の通りです:

リスクの軽減・透明性の向上:

規制の強化により、ステーブルコインの発行者や関連業者は適切なAML/CFT対策を実施する必要があります。これにより、資金の透明性が向上し、不正利用のリスクが低減されると思います。

安定性の確保:

ステーブルコインのデジタルマネー類似型は、法定通貨と連動しているため、発行者は償還能力を維持する必要があります。これにより、ユーザーに対する信頼性が確保され、安定性が保たれます。今後、発行体が増えてきます。銀行を母体としたような組織、そして、JPYCのような経験があり、しっかりとした組織が生き残っていくでしょう。

信頼性の向上と普及:

2025年以降、ステーブルコインは、安全な資産として企業の財務の裏付けにも活用されるようになるかもしれません。また、ステーブルコインが世界中で普及し、決済手段として広く利用されることが期待されます。

資産運用の手段:

キャッシュを持つよりもステーブルコインを保有することが得だという考え方が広まるかもしれません。金利の利益や、ブロックチェーン投資信託など、ステーブルコインを資産運用の手段として活用する人が増えるかもしれません。

今後の課題:

暗号資産型のステーブルコインや新たな技術の導入により、今後も法的な課題が浮上する可能性があります。規制は技術の進化に対応しながら、安定した金融システムを維持するために必要です。

総じて、日本のステーブルコインは法的な規制のもとで、透明性や安定性を重視した展開が期待されます。JPYCも含めてステーブルコインの発行体には非常に期待されています。

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